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劇場公演で受けた圧倒的な衝撃!チームKから始まったAKB48との深い縁
<エンタメ解体新書>
別冊の編集長になられてから数年後、秋葉原に新しいアイドルグループが誕生しましたね。
<青木宏行さん>
AKB48ですね。2005年に誕生して、その半年後、2006年の6月頃に「劇場へ見に来てください」と呼ばれて行ったんです。
ちょうどチームKができたばかりの時でした。チームAとチームKの公演があったのですが、スケジュールの都合で初めて見たのは、チームKの公演でした。
<エンタメ解体新書>
初めての劇場公演はいかがでしたか?
<青木宏行さん>
アイドルのライブ自体初めてで、どんなもんだろうくらいの気持ちでした。メンバーのこともよくわからずに観に行ったんです。そしたら、劇場内のお客さんの熱気やメンバーのパワフルなパフォーマンス、キラキラと輝く笑顔に衝撃を受けてしまって…。特に宮澤佐江ちゃんと秋元才加ちゃんの「ツインタワー」が魅力的で、確か火曜日にライブを観たと思うんですが、お願いして同じ週の金曜日にまた劇場へ行ったんです(笑)
それで「これは『FLASH』の別冊で記事にしよう!」と思いました。
<エンタメ解体新書>
1週間に2回も!そこから本格的な取材が始まったのですね。
<青木宏行さん>
はい。それで、チームAの取材をすることになり、公演を観に行きました。そしたらまたチームKを見た時とは違った感動があって、完全にハマりました(笑)
終演後に挨拶をさせてもらって、メンバー2人と挨拶をさせてもらいました。その2人が前田敦子ちゃんと高橋みなみちゃんでした。
あっちゃん(前田敦子さん)は、ステージでは、ものすごいオーラを放って存在感が抜群だったのですが、ステージを降りると普通の女の子でギャップに驚いたのを覚えています。たかみな(高橋みなみさん)のしっかりした受け答えもとても印象に残っています。
それからコンサートなどにも取材で呼んでいただけることが増え、さらにAKB48の魅力に深くはまっていくわけです。
『まるっとAKB48』大ヒットの舞台裏。フットワークで仕掛けた編集長の戦略
<エンタメ解体新書>
その後のグループの大躍進は私たちもよく知るところです。たくさん関連雑誌も発行されて私たちも熟読していましたが、当時は各出版社がしのぎを削っていましたよね。
<青木宏行さん>
はい。コンビニの本のコーナーは、AKB48メンバーの表紙がズラッと並んでいる時代でしたね。
講談社さんが『総選挙ガイドブック』、集英社が『水着サプライズ』、そしてウチ(光文社)は『じゃんけん大会ガイドブック』や『AKB48海外旅行日記』。多くのファンの方々に喜んでいただける書籍がたくさん出ていましたよね。
特に、光文社で出した『まるっとAKB48』という、チーム紹介、公演解説、衣装や劇場支配人など裏方さんまで網羅した本が何十万部も売れて、さらにAKB本出版の競争が激化した印象があります。
<エンタメ解体新書>
大ヒットを生み出せた背景には、どのような戦略があったのでしょうか?
<青木宏行さん>
週刊誌の編集長と違って、別冊の編集長は締め切りのスケジュールを自分でコントロールできたんです。
<エンタメ解体新書>
……と、申しますと?
<青木宏行さん>
AKB48グループのシングルの発売スケジュールなどのタイミングに合わせて発売日を変更して、よりタイムリーなタイミングで出版することができたんです。毎年、NMB48の夏シングルのリリースに合わせて特集を組んだり、情報の旬に合わせて出版時期を決めることができるのは、別冊だからこそできたことです。
<エンタメ解体新書>
なるほど!ご自身の裁量とフットワークの軽さがヒットの源泉になったのですね。
AKB48への深い思い入れ、そして再び東京ドームへ……
<エンタメ解体新書>
青木さんにとって、思い入れの深いAKB48メンバーはどなたでしょうか?きっかけは宮澤さんや秋元さん、その他にメディアでは前田敦子さん、小嶋真子さん、伊藤百花さんのお名前をよくお伺いしていましたが……
<青木宏行さん>
あっちゃんは、ファースト写真集を作らせてもらったり、ずっとドラマや映画もずっと見てきているので、推しというより「孫」の成長を見守る感覚ですかね(笑)。僕と同世代のファンの方たちもそんな気持ちじゃないでしょうか。
オーディションというゼロの時点から成長を見てきたという意味では、9期生以降のメンバーにも特別な思い入れがあります。
<エンタメ解体新書>
おお、9期生以降ですか!
<青木宏行さん>
9期生は、入りたての頃に『まるっとAKB48』で特集を組んでインタビューしているので、特に思い入れは強いです。その後、ぱるる(島崎遥香さん)がじゃんけん大会で優勝してセンターになったり、横山由依ちゃんが総監督になった時は、本当に感動しました。
14期のこじまこ(小嶋真子さん)、15期のみーおん(向井地美音さん)も入った時から輝いてて、推してました。
<エンタメ解体新書>
なるほど。今も変わらずAKB48を追い続けていらっしゃいますが、若手メンバーはいかがですか?
<青木宏行さん>
AKB48の20周年記念本を作っていて改めて感じたのですが、今の若手は非常にポテンシャルが高い!2曲連続のセンターで注目を集めている19期生の伊藤百花ちゃんのビジュアルや存在感もすごいですし、18期生の佐藤綺星ちゃん、八木愛月ちゃんを始め、他のメンバーたちも負けず劣らず魅力的な子でいっぱいです!
アリーナツアーや東京ドームでのコンサートも夢ではないと、すごく期待しています!

次世代へ繋ぎたい、愛される本づくりのノウハウ
<エンタメ解体新書>
最後にお伺いをしたいのは、紙媒体の未来についてです。
出版不況やデジタル化が進む中で、これからの紙媒体の可能性をどのようにお考えですか?
<青木宏行さん>
ネットやYouTubeに情報が溢れる今の時代、雑誌を手に取ってもらうこと自体のハードルが高くなっているわけですが、これからはよりコアなジャンルに深く絞り込んだアプローチにしか活路はないと思います。
例えば、ファンが「手元に残しておきたい」と思えるような、フォトブックや写真集的なものはまだまだ需要があるジャンルだと思います。ただ、今までのように大部数を全国の書店に広くバラまくのではなく、読者ターゲットや販売ルートを絞り適切に配本することが大切になってくると思います。
<エンタメ解体新書>
確実にファンへ届けるための仕組みづくりが必要ということですね。
<青木宏行さん>
そうですね。せっかく頑張って作っても売れずに赤字になるのが編集者としては一番辛いので、「ファンが欲しているものをファンのもとに確実に届ける」といった、損をしないビジネスモデルを作ることが重要だと思います。
僕自身、推しのことをもっと知りたいというオタクの気持ちはよく分かるので、欲しい要素を入れれば絶対需要はあると思います。ファンもタレントも編集者も、みんながハッピーになれる本づくりや販売の方法を考えていきたいと思っていますし、そのためのノウハウを、これからの若い編集者たちへ伝えて、失敗しない本作りのお手伝いをしていければと思っています。
<エンタメ解体新書>
青木さんだからこそ次世代へ繋げる、愛される本づくりのノウハウですね。素晴らしいお話をありがとうございました!

「エンタメ解体新書」青木さんインタビュー、前・中・後編にわたる大ボリュームでお届けいたしましたがいかがでしたでしょうか?
岩手県で雑誌カルチャーに熱狂した少年時代から、『FLASH』という激動の写真週刊誌の最前線を駆け抜け、そしてAKB48という一大ムーブメントを「作り手」として、また「ファン」として見守り続けてきた青木さんのキャリアは、まさに日本のエンタメ・メディア史を追体験するような圧倒的な面白さがありました。
お話を伺って最も印象的だったのは、長年メディアの最前線でご活躍されながらも、その根本にあるのは「エンタメが好き」「推しを応援したい」というピュアな“オタク心”であるということです。「オタクの気持ちが痛いほど分かる」という青木さんのファンファーストな目線こそが、時代や媒体が変わっても愛され続ける本づくりの原動力になっているのだと強く感じました。
青木さんから次世代の編集者たちへと受け継がれていくノウハウが、これからどんな「みんながハッピーになれる本」を生み出していくのか、一人のエンタメファンとして非常に楽しみです。青木さん、貴重で熱いお話を本当にありがとうございました!
読者の皆様も、最後までお付き合いいただきありがとうございました。『エンタメ解体新書』では、これからもエンターテインメントの裏側を支える「作り手」の皆さんの熱い想いやリアルな姿をお届けしてまいります。ぜひ次回の記事もお楽しみに!
【前編はこちら】
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