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【前編はこちら】
https://note.com/kaitai_shinsho/n/ne834fed37686
【中編はこちら】
https://note.com/kaitai_shinsho/n/nc06ce606c3a8
2日に1曲!?作曲家のリアルな日常
<エンタメ解体新書>
(中編から引き続き)HOVERBOARDへの参加は、とてつもないスピード感ではじまったのですね!? デモは何曲送ったのですか?
<齋藤 奏太さん>
アイドルソングのイメージで3曲作りました。当時は慣れていなかったので、全部で1ヶ月かかりましたね。
今考えると信じられないくらい時間がかかっています。
<エンタメ解体新書>
素人感覚では、月3曲でも随分とハイペースな気がするのですが、今は月に何曲制作されているのですか?
<齋藤 奏太さん>
月に12、13曲くらいです。平均でいうなら、2日に1曲のペースですね。
<エンタメ解体新書>
2日に1曲! どのような生活になるのでしょうか。
<齋藤 奏太さん>
一人で書く場合と共作する場合でも違いはありますが、編曲だとドラムやベースを緻密に打ち込んで、メロディーはピアノを弾いて歌いながら考えることが多いですね。
買い物に行ったりお昼を食べに行きながら「こっちの方がいいな」と考えて、帰宅したらその部分を直す……というのをひたすら繰り返しています。
締切時期が4曲が重なることもあったり、バタバタすることもありますね。
<エンタメ解体新書>
まさに、音楽漬けの毎日ですね。
<齋藤 奏太さん>
音楽を職業にするのは楽しいです!
でも、自分の音楽に向き合う毎日なので、他のクリエイターさんの音楽をじっくり聴きながら働けないんだな、と思うことはあります。
<エンタメ解体新書>
これまでの作品数は、何曲くらい?
<齋藤 奏太さん>
Spotifyで配信されているものが80曲くらい、YouTubeで使っていただいているものなどを含めると、150曲くらいは納品していると思います。
採用にならなかったコンペ曲も含めれば、500曲を超えているはずです。

影響を受けたアイドルソング
<エンタメ解体新書>
そういえば、先ほどの「影響を受けた音楽」の中でアイドルソングの話題は出ませんでしたが、アイドルソングは聴いていましたか?
<齋藤 奏太さん>
実は、ずっとアイドルソングも好きでした!
特に、AKB48さんの『Everyday、カチューシャ』は、この楽曲に触れなければ、この業界に進んでいなかったんじゃないか?と思うくらい、影響を受けています!
転調だったりメロディーだったり、とにかく好きです!
<エンタメ解体新書>
ファンの間でも、名曲と語り継がれていますもんね!
でも今は「作曲・齋藤奏太」に影響を受けたり、クレジットを見て喜ぶファンも多いと思いますよ?
<齋藤 奏太さん>
もう、本当に恐れ多すぎて……
僕自身、クリエイターさんのお名前を見て喜ぶオタクだったのですが、それがHOVERBOARDを知ったきっかけでもありましたね。
<エンタメ解体新書>
アイドルファンだからこそ、ファンの方々からの反響も大きい楽曲をされているのですね!
<齋藤 奏太さん>
ファンの方々が「転調がいい」など、音楽的なギミックに気づいてくださるのはとても嬉しいですね。
まだまだ、世の中に見つかっていないギミックもたくさんありますけど!

AI時代にも揺るがない、作曲家としての矜持
<エンタメ解体新書>
これだけたくさんの楽曲をハイペースで制作されていて、大変ではないですか?
<齋藤 奏太さん>
「これ、手を抜いて作ったんだろうな?」みたいなものって、聴く人が聴けばわかってしまうんですよね。
自分の作品にそう思われてしまいそうな部分があるのがすごく嫌で。
極端に言うと、1番まで作り切ったものをコピペすればすぐに2番は完成するわけですが、まったく同じメロディーであっても、鍵盤はほぼすべて弾き直しています。
意図的に同じものを使うときもありますが、バンドでライブをする時には「奏太くんの曲はピアノが動き過ぎていて困るよ」なんて言われたりします(笑)
<エンタメ解体新書>
作曲や編曲の仕方という意味で、AI活用についてのお考えはありますか?
<齋藤 奏太さん>
アウトプットをしやすくなったこと自体はいいなと思います。
でも、音楽っていろんなクリエイターさんと紡ぎ出す生き物なんですよね。
自分が悩んで苦しんだ作品に歌詞を入れていただいて、様々な方々の要素がバチッとはまって「あっ、これは絶対にこのグループの楽曲として仕上がった!」という瞬間があるんですよ。
その瞬間の喜びやプロセスの積み重ねは、AI音楽で得ることは難しいと思います。
極端な話、僕はお金にならなくても作曲はずっと続けていると思います。
作ること自体のプロセスが好きなので。
<エンタメ解体新書>
音楽を育てる過程にこそ喜びがある、ということですね。
<齋藤 奏太さん>
はい、たくさんのプロセスがかみ合って世の中の人に届く喜びは、自分自身でこだわりを持ちながら育てたからこそ感じられるものだと思います。
<エンタメ解体新書>
最後に、これからチャレンジしたいことを教えてください!
<齋藤 奏太さん>
まだやったことがない、声優さんのソロ活動の楽曲を作ってみたいです!
でも、根がオタクなので「どのような方々がどのような角度から触れていただいても満足いただける楽曲を作る」という根幹の部分はブレずにやっていきたいです!
「自分で作ること」へのこだわりや喜びは、私たちの日常にも響く
前・中・後編にわたってお届けした、齋藤奏太さんへの独占インタビュー。いかがでしたでしょうか?
自らを「音楽漬け」「遅咲き」「強い意志」と称し、歩んできた23年間。
その道のりで磨かれたこだわりと情熱こそが、若くしてアイドル界を牽引するヒットメーカーとなった確かな理由なのだと、強く確信させられる時間でした。
世の中には、この奇跡のような軌跡を「成功したオタク」と呼ぶ人がいるかもしれません。
ですが、その一言だけで、彼が積み重ねてきた膨大な努力や葛藤を一括りにして良いはずがありません。
『エンタメ解体新書』では、エンターテインメントの舞台裏を支え、私たちに明日への活力をくれるクリエイターの情熱を、これからも丁寧に紐解いてまいります。
【前編はこちら】
https://note.com/kaitai_shinsho/n/ne834fed37686
【中編はこちら】
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