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インタビュー後編

特に、アイドルファンから絶大な支持を獲得している大人気の作詞作曲家、そして株式会社HOVERBOARD代表、Akira Sunsetさんへの単独インタビュー(前/中/後編の三部)
後編では、作曲家としての才能への嗅覚、あの有名楽曲の編曲秘話、音楽家スクール『Dr.BROWN』に込めた願いAIとの向き合い方などを語っていただきました!


【前編はこちら】

https://note.com/kaitai_shinsho/n/nd58e785a8c35

【中編はこちら】

https://note.com/kaitai_shinsho/n/n83815b7864e4



才能への嗅覚とアーティストとしての本能

<エンタメ解体新書>

HOVERBOARDにクリエイターを迎える際、採用の基準はあるのですか?

<Akira Sunsetさん>

オーディションはしていなくて、来たものを拒まずに聴いてみるスタイルです。
僕、「こいつ売れるな」っていう嗅覚だけは昔から自信があって。
「アレンジができなくても、とにかくメロディーが良い!」とか、「作曲家なのに、歌声もめちゃくちゃ良い!」とか、自分の嗅覚に引っかかる子に声をかけると、大体は成功していきますね。
うちで言うと、浦島健太やRyota Saitoは、とにかく歌が良くて!

<エンタメ解体新書>

ご自身もアーティスト活動をされていたからこそ、歌の重要性を実感されているのですね。
楽曲制作においては、秋元康さんとのお仕事も多いと思いますが、Akira Sunsetさんが書かれた仮歌詞(※)が採用されることはあるのでしょうか?

(※)仮歌詞:楽曲の制作過程でメロディーを確認するために一時的にあてがわれる仮の歌詞のこと。コンペは仮歌詞で審査されることが一般的。

<Akira Sunsetさん>

コンセプトをわざと寄せて書いてくださることもあるように思いますが、大体は予想外の化学反応を起こして、返して下さいます。
「うわ、そうなるんだ!」みたいな!
でも、秋元先生に自分の歌詞を聴いてもらえるチャンスなので、仮歌詞だからといって手は抜かず、命懸けで書いています。耳から入ってくる情報で曲の印象は全く変わるので。

<エンタメ解体新書>

アーティストとしてのステージ経験も、今の曲作りに活きていますか?

<Akira Sunsetさん>

それもすごく大きいですね。
「ライブ中にこの曲があったら、盛り上がるだろうな」と想定して作ることも多いです。
たとえば、乃木坂46の『日常』という曲は、ワンコーラスだけで採用いただいたんです。なので、間奏は「やっちゃえ!」と、当時流行っていたダブステップやギターソロを入れて、ライブを想定してやりたい放題やらせていただきました!(笑)
結果的に、そこがダンストラック的にサンプリングされてメンバーさんのダンスパフォーマンスシーンが盛り込まれるライブもありましたし、素晴らしいパフォーマンスのお陰でファンの皆さんからも愛していただけるナンバーに育って良かったです。


音楽家スクール『Dr.BROWN』設立秘話と願い

<エンタメ解体新書>

そのなかで、音楽家スクール『Dr.BROWN』も設立されるわけですが、これはどのような想いから始まった取り組みなのでしょうか?

<Akira Sunsetさん>

せっかくの機会なので、少しリアルな心情も交えてお話をしますね。
ありがたいことに、HOVERBOARDが成長して、その中で音楽界にも貢献できる新しい事業を創りたいと思ったんです。
前々から、会社を初期から支えてくれている遠藤ナオキと野口大志と何か一緒に始めたいという漠然とした考えはありました。
僕、困った時にあの二人にすぐ聞くんですよ。
「この機材って、どうやって動かすの?」とか(笑)
そのなかで、ふとした時に「なんでふたりに聞くんだろう?」と思ったんです。
よくよく考えると、遠藤も野口も人に物事を教えるのがめちゃくちゃうまい人たちだなと気がついて、「これは絶対的に需要があるな!」と思って始めたのが最初ですね。

<エンタメ解体新書>

お二方ともに第一線で大活躍されている作曲家です。
そのおふたりに丁寧に作曲や編曲、機材の使い方や仕事の仕方を教えていただけるというのは、ものすごくニーズが高いスクールだと思います。

<Akira Sunsetさん>

まさに、そこです、スクールを新規事業に据えたのは!
世の中のスクールを見ていて、ちょっと思うところがあって…。
その課題感を解消するためには、「最前線にいる人が教えたほうが、圧倒的に未来ある若者たちにとって良くないか?」と思うようになったのもスクールを始めたきっかけです。
けれど、ぶっちゃけて話すと、世間の相場よりはお金を頂いています。これは我々も「高いよね」って承知していて。でも、しょうがないよね、この人たちの時給高いからな、という。
ただ、僕たちはスクール卒業が終わりではなくて、掛けていただいた費用以上にお仕事を得ていただけるまでもフォローし続けたいとの想いで動いていますし、いろいろと準備を進めていることもあります。

<エンタメ解体新書>

コンペでの実力勝負が多い世界の中で、アフターフォローまでも意識したスクールというのは情熱にあふれていてとても素敵だと思います。
世間一般の感覚で申し上げると、「ここまで教えたのだから、外の世界で勝負してきなさい!」となりそうなものですが。

<Akira Sunsetさん>

正直、そう考えていた時期も少しだけありましたが、高いお金を頂いて、こちらも教えるべきことをしっかり教えて、そしてひたむきに努力してきたメンバーに対して、「はい、あとは頑張ってね」というのは、あまりにも可哀想だなと思って。

<エンタメ解体新書>

まさに、Akira Sunsetさんのお人柄と音楽への情熱が掛け合わさったスクールですね。

<Akira Sunsetさん>

ありがとうございます。
あと、もうひとつ要素があるとすれば、後進育成ですかね。
個人的には、作曲は若い人がどんどんやるべき世界だなと思っていて。若い子の感性で、現代の流行を取り入れながら進化させていくほうが、より作曲家や編曲家の活性化につながる。
大人たちは、そのための枠を作ってあげることに向き合った方がいい、というのは思っていますね。


AI時代の音楽家に必要なことは……

<エンタメ解体新書>

その意味で、向き合わないといけない問題の一つに、AI(人工知能)もあるのかなと。
作曲や編曲に対するAI利活用については、どのような想いを抱かれているのでしょうか?

<Akira Sunsetさん>

僕個人としては、一応は触りますけど、まだ取り入れてないですね。
ただそれは、世代的に僕が取り入れたとしても「なんか違うな?」という作品や仕事になってしまうだろうという想像があるからというだけで、否定をしたいわけではありません。
むしろ、同世代や先輩の音楽家と話していて思うのは、「もし自分が若くてスキルやノウハウがない環境に居たら、誰よりもAIを使い倒すよね?」ということです。
AIが発展をしている現代でこれから活躍の場を見出すのであれば、絶対触ったほうがいい。
ただ、嘘ついちゃダメですけどね。「この作品は、僕が自分の力だけで作りました!」と言っても「AIで作ってるよね?」というのはすぐバレちゃうと思うので。
AIを使うとしても、一定の音楽知識が無いと使い切ることはできないです、結局は。

<エンタメ解体新書>

プロの視点や耳はごまかせない、ということですね。

<Akira Sunsetさん>

最近、企業CMなどでも「これは、AIで作ったな?」という音楽が増えてきました。
僕たちからすると、「譜割り」が甘いので全然入ってこない作品になってしまっているなと思ったり。

<エンタメ解体新書>

ありがとうございます。
Akira Sunsetさんはもちろんですが、HOVERBOARDやDr.BROWNの皆さまの今後が、とても楽しみになるインタビューでした!

<Akira Sunsetさん>

これからの時代、作曲家と編曲家、先輩と後輩、のような人と人のつながりがより大切になると思います。そのために事務所やスクールが存在するのかもしれないですね。
というより、うちはコミュニティに近いですかね、「楽しくやっていこうよ!」って。僕自身、元々はコミュニティは大嫌いでしたけど!(笑)
これだけ人の縁がつながっていくと、僕自身も「このメンバーをどうにかしてあげたい!」「もっと活躍してほしい!」という想いが芽生えてきているので、コミュニティとしての時間や活動にも、もっと向き合っていきたいと思っています。

今後クリエイトされる作品にも、大注目です!!


前・中・後編に渡ってお届けを致しましたAkira Sunsetさんへの独占インタビュー、いかがでしたでしょうか?

若くして作曲をやり切ってしまった感覚から音楽を離れた時期、今の曲調からは少し想像が難しいラッパー時代、アーティストデビュー前後や作曲家スター時の苦難。
私たちが知らない、Akira Sunsetさんのリアルがその中にあり、価値ある様々な経験を積み重ねたからこそ、多くの人々に愛される楽曲のクリエイターや音楽家たちが集う組織を率いる経営者としての成功がありました。

今後も、Akira Sunsetさんを始めとしたHOVERBOARD所属の皆さま、そしてDr.Brownの今後を応援し続けていきます。

【前編はこちら】

https://note.com/kaitai_shinsho/n/nd58e785a8c35

【中編はこちら】

https://note.com/kaitai_shinsho/n/n83815b7864e4